今回は複合性局所疼痛症候群の治療例を御紹介いたします。手(パー)
皆さん聞きなれない疾患と思いますが、簡単にご説明いたします。
わーい(嬉しい顔)

複合性局所疼痛症候群(Complex regional pain syndrome,略称CRPS)とは、神経が関与した難治性疼痛疾患の一つです。神経の損傷および骨・筋肉組織損傷、外傷(骨折とくに長期固定)、手術後、中枢神経系損傷後に発症するとされていますexclamation
症状として、皮膚・爪・毛のうちいずれかに萎縮性変化関節可動域制限、持続性ないし不釣り合いな痛み、しびれたような針で刺すような痛み、または知覚過敏、発汗の亢進ないしは低下、浮腫などが認められます。

現在治療として、鎮痛薬、各種ブロック療法、中枢神経作動薬等がありますが、なかなか良くならないのが、現状です。また脊髄硬膜外電気刺激療法でよくなる症例もあります。しかし、欧米では、この治療法でも電気鍼治療と同レベルの治療効果との報告もなされています。

当院では西洋医学だけでなく、東洋医学を応用し、漢方薬と電気鍼治療で除痛し、リハビリテーションを行う治療を入院して行い効果を上げています

では、当院でのCRPS症例を2例紹介します目手(パー)

症例1 16歳 男性
主訴:右肩から右手にかけての激痛(びりびりした痛み)


現病歴:平成X年7月14日テニスをして、右肘に痛み出現。整形外科受診し、テニス肘と診断、テーピングして18日テニス大会に出場。9月に文化祭で、太鼓打ちの練習で、再度右肘に痛み出現。整形外科受診したが、次第に疼痛増悪し、右肩、肘、手まで痛みがでて、運動できなくなる。10月にはギブス固定したが、痛み増強する為、10月6日 某大学 ペインクリニック受診。CRPS診断のもと、外来で硬膜外ブロック、遠絡療法、プレガバリン内服するも痛み軽減しないため、11月24日当科受診し入院となる。

現症: 痛みの指標であるNRS8/10、 右肩から手にかけて運動障害、右握力測定不能、痛覚過敏、アロデニア、右肘の軽度腫脹
西洋医学的診断:CRPSType1
治療:漢方薬、ノリトレイン、星状神経節ブロック、トリガーポイントブロック、頚椎および上肢に電気鍼治療をおこない、鍼治療後、十分除痛した後、リハビリを施行。

経過:入院後、鍼治療後はNRS8/10から5/10、痛み度198から31に軽減。右上肢運動も可能。しかし、治療後4〜5時間で、痛みが出現。漢方薬を変更する。

1週間後、痛み軽減が、5〜6時間延長。現治療に効果あると判断して、継続治療とする。

2週間後、NRS1〜2/10.「以前の痛みはもうない。鉛筆で字がかけるようになる。

12月8日、NRS1〜2/10.右手で勉強できるようになる。右上肢運動もできるまでに回復する。右握力20.8kg、左 32.4kgまで改善。12月10日(入院17日後) 右握力29.6kg。痛みないため、退院。

症例2 64歳 女性
主訴:左首から手にかけての痛みとしびれ、左手指の屈曲障害


現病歴:平成X−2年5月交通事故。その後、吐き気、左頚部への上肢痛、しびれ出現。リハビリ治療行うが、左首から手にかけての痛みとしびれは改善せず。鍼灸院や整形外科通院し、鍼治療やブロック療法を受けたが、効果はなかった。左首から手にかけての痛みとしびれ、左手指の屈曲障害が継続するため、平成X年6月24日某病院ペインクリニック受診。左星状神経節赤外線照射、左肩トリガーポイント施行するも、効果がないため、8月9日紹介受診となり、16日入院となる。

経過:入院時、痛みの指標NRS8/10。右電気頭皮鍼療法を行い、NRS3/10
まで改善。左手屈曲が可能となる。治療後5時間程で痛みが戻る。
18日右電気頭皮鍼療法と左頚部から上腕の鍼療法を同時に行う。22日痛みが軽減し、治療前でもNRS5/10で小指が曲がるまで改善する。
痛みが軽減(NRS2/10)したので、25日よりリハビリ開始する。右手握力21Kg,左手握力5.6Kg。

9月8日(入院3週間後)痛みなく運動できるようになる。右手握力24.8Kg,左手握力22.9Kgと著明に改善した為、9月9日退院となる。

このようにCRPS症例に対して、漢方薬、電気鍼治療、リハビリの統合的な治療法が有効でしたのでお知らせいたしました。本

このように何カ月も何年も治らない難治性疼痛をお持ちの患者さんがいらしたら、治らないとあきらめないで、受診してみてください。
わーい(嬉しい顔)わーい(嬉しい顔)
posted by 門司病院 at 2012年05月30日 | ペインクリニック・東洋医学症例
皆さんこんにちはわーい(嬉しい顔)

ペインクリニック・東洋医学科の緒方です手(パー)
東洋医学を利用した治療症例を少しずつ御紹介したいと思います目
症例1)首から両肩にかけての痛み、両手のしびれが改善した症例。
主訴:首から両肩にかけての痛み、両手のしびれ

既往歴:49歳 腰椎椎間板ヘルニア、51歳 子宮筋腫手術、53歳 右膝関節鏡手術
現病歴
平成X−1年12月頃より、首から両肩にかけてのこりと痛みと両手のしびれ出現。
近医の整形外科や整骨院にかかっていたが、症状が次第に増悪してくるために、平成X年 4月15日初診。

西洋医学的所見
身長148cm、体重62.4kg。頚部X線ではC4〜6の変形ならびに骨棘の形成、椎間孔の狭小化が認められた。診断:変形性頸椎症

経過
初診時に桃核承気湯処方。
1週後、「肩こりが少し楽になりました。」同処方が有効と考え、継続する。
4週後、「頭痛はなくなりました。便秘もありません。肩こりが少しある程度です。手先のしびれが残っています。」肩こり体操、ストレッチ等、運動するよう勧める。
8週後、「調子いいです。手先のしびれもありません。」その後、同処方を継続しているが調子良好である。

まとめ:漢方療法で変形性頚椎症による首から両肩にかけての痛み、両手のしびれが改善した。

症例2) 頚椎ヘルニアで鍼治療を含む統合的治療が奏功した症例
主訴:両手両足のしびれ、両手の痛み(NRS8)


現病歴:平成X-1年7月頃より、両手のしびれ出現。整形外科受診。MRIでC4/5ヘルニアによる頚椎症で、入院加療し、リハビリ行う。次第に両手を動かすと疼痛としびれがでて、箸も持てなくなり、両下肢のしびれも出現する
平成X年6月より某大学東洋医学科外来加療受けるが、症状改善しない為、
平成X年9月17日当科外来受診し、10月13日入院となる。
入院時現症:身長153cm、体重62kg、握力(R:8.3kg、L:0kg)
既往歴:昭和63年糖尿病(3回入院)、平成20年 狭心症、心臓カテーテル術施行、平成21年 頚椎椎間板ヘルニア
西洋医学的診断:X-P:C4/5椎管孔の狭小化、MRI:C4/5ヘルニア、頚椎症性神経根症
治療:漢方薬(桂枝芍薬知母湯、桂枝茯芩丸、ブシ末)を服用。
星状神経ブロック、トリガーポイントブロック、電気頭皮刺激鍼治療後リハビリを行う。
経過:10月27日(2週後)には、両手動かしても痛みはなくなる。両足のしびれもなくなる。11月4日(3週後)本のページがめくれ、パソコンも打てるようになる。食事は全部箸でできるようになる。
11月17日(5週後)両親指が少し痛い程度(NRS2〜3)。握力(R:11.4kg、L:5.4kg)に改善。
11月29日字を書いても痛くない。「免許の更新できました。」
12月27日握力(R:12.3kg、L:8kg)にまで改善し退院となる。
平成X+1年 6月両手の痛みなし。握力(R:15.9kg、L:11.2kg)、MRI上変化なし。

まとめ:統合的医療(東洋医学+西洋医学)で症状が著しく改善した頚椎椎間板ヘルニア症例を経験した。統合的医療は難治性疼痛の治療に有用である。

今回は、2つの症例をご紹介させて頂きましたが如何だったでしょうか?
文章だけでは伝わりづらい部分もあろうかと思いますので、写真や映像を追加していく予定ですひらめき
posted by 門司病院 at 2011年08月18日 | ペインクリニック・東洋医学症例
皆様こんにちはわーい(嬉しい顔)

今後こちらのページでペインクリニック・東洋医学の症例をご紹介していく予定ですexclamation
どういった診療を行っているか詳しく載せたいと思いますので、是非ご覧になって下さい手(パー)
posted by 門司病院 at 2010年11月12日 | ペインクリニック・東洋医学症例